2013年11月14日木曜日

宮城谷昌光さんの「楽毅」を再度、読んで考えました。

若いころと比べて読書の習慣が変わってきました。若い頃は多くの本を読みたかったのか、一度読んだ本を読み返すことを決してしませんでした。しかし最近は、繰返し読むことが増えました。今は、2度目の宮城谷昌光の楽毅を読んでいます。Facebookで知り合った先生に教えてもらった小説家です。

中山国の宰相の息子である楽毅は、中山に攻め込んできた趙の武霊王の軍を見て考えます。

「王が非凡であることは、その国にとって、幸なのか不幸なのか」

中華の伝統的な装束を改め、騎馬戦に適した胡服で戦うことを決め、胡服騎射で圧倒的な軍の強さを作り上げます。しかし趙には武霊王以上の人材がいません。戦いにも軍師が不要なほどです。全て自分で考え、自分で決定するために臣下が育ちません。

更に楽毅は考えます。

「真の名君は、臣下に聴き、臣下を信じ、臣下をうやまう人である」 自分よりも優れたものを持たない武霊王は後世、名君とは呼ばれないであろうと考えます。

優れたリーダーを持つがゆえに次代が育たず、国や会社や組織が次代に崩壊するとすればやはりそのリーダーの下の組織にいる人は不幸かもしれません。GEを建て直したリーダーとしてジャック・ウェルチが有名ですが、彼のキーワードがリストラやダウンサイジングかもしれません。後を継いだジェフリー・イメルトはGEの売り上げを60%増やし、利益を倍増させました。ウェルチの功績はGEの再建よりもイメルトを次代のリーダーに抜擢したことと言えるかもしれません。

「王が非凡であることは、その国にとって、幸なのか不幸なのか」

この言葉が心に響いたのは徳洲会の事件が世間を騒がせているからです。その中枢に在籍したものとして、徳洲会の将来を憂えているからと思います。

武霊王は、息子の謀反に会い、最期は餓死でした。

楽毅は武霊王の息子ではありません。三国志の諸葛亮孔明が憧れた人物です。姓が楽、名が毅です。

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