2013年9月13日金曜日

Xience prime stent植込み後2か月でOCT検査を行いました。 内皮化が完成しています。

Fig. 1 Two months after Xience prime stent implantation
札幌ハートセンターの藤田先生が「心臓の病気で死なせない」という著書を出されました。心筋症などで実際にはすべての心臓病で死を免れない訳ではありませんが、藤田先生や私が専門とする冠動脈疾患では、受診されない方は別にして、ほとんどもう心臓死はしないだろうと思っています。日本人の死因の1位が悪性疾患で2位が心臓、3位が肺炎ですから、心臓死を免れる方の多くは悪性疾患で亡くなられるのだろうと思っています。ですから心臓では死なせないぞと思う一方で、悪性疾患を見逃さないようにしなければといつも考えています。

「今回は胃薬を出しておいてください」と言われても私は安請け合いをしていません。最近内視鏡検査を受けたかを聞いて、受けている方には処方しますが、受けていない方にはまず内視鏡検査をお勧めしています。すると続々と胃癌の方が見つかります。また「便秘薬を下さい」という方にも同様です。下部内視鏡検査をお勧めしています。OCT像を示した図の方も便秘を訴えられたので内視鏡検査をお勧めした方です。悪性疾患が見つかりました。この方は2か月前に薬剤溶出性ステントを植え込んだばかりの方です。わずか2ヶ月で抗血小板剤を中断して手術をしていただいても良いのかと思いましたが、最近の薬剤溶出性ステントでは内皮化が早く完成すると言われているので本日OCTで評価しました。ほぼすべてのストラットで内皮で覆われていました。もちろん、だからといって抗血小板剤を中断してステント血栓症が起きないという保証はありませんが可能性は低いと判断しました。手術を受ける施設も近くなのでなにかあればすぐに対処するように考えています。

この1ヶ月で悪性疾患の手術を控えて、OCT検査を実施した方はこの方で3例目です。今年になって10例以上です。その中でこの方が植込み後 最も早い段階で見つかった方です。早く見つかったことで良い将来が来ることを祈っています。ステントの内皮化が完成しており、手術の邪魔になりそうではないので幸いでした。

注 この方は悪性疾患の存在を告知されており、ステント植込み後2か月で手術可能か否かを断言できる医師はいないのでこの2か月後のOCT像をUPさせて頂いても良いかとお聞きし、了解を得ました。

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