
この方のNOACはオフラベルの使用量であるプラザキサ75mg 2cap 2Xの処方です。このオフラベルの量で充分に効果が発現しているのです。
一方、別の方ですが70歳代後半の女性で最初の方と同程度のCCr: 47、eGFR: 57の方ですがプラザキサ 110mg 2cap 2XでPT-INRが1.29、aPTTが42.9秒でした。
投与量の調節も不要で塞栓発生や出血が減少すると言ってもやはり効果には個人差が発生します。プラザキサの用法用量には最低の110mg 2cap 2Xしか記載はなく、よくある年齢や体重・腎機能で減量を考慮するようにとの記載がありません。このためルールに従えば上記の方の処方も110mg 2cap 2Xとなります。これで良いのでしょうか?ひねくれた私は平均体重80㎏で検討されたre-ly通りに処方していたら日本人では大きな問題が発生するのではないかと考え、出血のリスクの高い方、特に高齢・低体重の方にはオフラベルの75mg 2cap 2Xを処方しています。エビデンスのない使い方です。それで塞栓症が発生したら責任を取れるのかという人もいるかもしれませんが、ルールに従って発生した大出血だから責任はないと言い切れるのでしょうか?
2年前にブログを書き始めた時に、書くのにふさわしい内容が続くのだろうかと思っていました。しかし毎日書いている訳ではありませんが書こうと思えば、入院している方や外来に来られた方を一人一人よく考えると、読んでいただく人と共有できるテーマは毎日見つかります。それが臨床なのだと思います。難しくもあり面白くもありです。
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