2014年5月2日金曜日

IEのセキュリティ上の欠陥に対する米国安全保障省の警告を見て思う

当ブログの2014.5.1のアクセス

当ブログの直近1月のアクセス
米国安全保障省からInternet exploreのセキュリティ上の欠陥から危険性があるとのことで他のブラウザーを使用するように警告が出ました。この報道を受けて各種のニュースなどで日本でもIEは50%ほどの人が使っているなどと報道されています。

図は当ブログのアクセス解析です。上段の図はこの1日のアクセス解析ですが訪問して下さった方が使用しているブラウザーの1位はSafariで35%の方、2位がChromeで19%でした。IEは報道後にも関わらず未だ17%の方が使用されています。

下段の図はこの1月のアクセス解析です。やはり1位はSafariで40%ですが2位はIEで30%の方でした。2つの図を比較すると報道後にIEのシェアが急落したのが分かります。ただこうしたアクセス解析には以前から注意を払ってきましたが、このブログを開始した3年前にはIEのシェアは60%を超えていましたからIEの凋落はこの報道以前から始まっていたと認識していました。3年前にはほとんどなかったIphoneからのアクセスも最近は20%を超えます。また医師にMacユーザーが多いからでしょうか、報道以前から最近ではSafariがトップシェアでした。このような傾向を見て私はMicrosoftは買えないな等と思っていました。

当院の電子カルテはカルテ情報を院内ではなく遠隔地に置き、インターネットを介してデータをやり取りするクラウド型のものです。モバイルではiOSに対応していますが、デスクトップではIEのみに対応しています。4/29の警告後、4/30にはVPN下でデータをやり取りしているのでIEであっても電子カルテ使用上のリスクはないと電子カルテメーカーからアナウンスがあり、安心しました。またインターネットに接続している端末ですから、電子カルテ用の端末からも一般のWeb pageにアクセスもしますが、私は基本的にChromeユーザーなので心配もしていません。院内の職員にも電子カルテ以外のインターネット使用にはIE以外を使用するように指導することにしました。

しかし、不安も残っています。当院の画像サーバーからの画像のWeb配信です。かつて時価総額世界一であったメーカーが提供するシステムですが、数年前から大きな不満を持っています。Web配信といいながらIEにしか対応していないこと、OSのバージョンやIEのバージョンにも依存しているためにIEのセキュリティの問題が発生してもIEのバージョンアップがすぐにはできないのです。ですからこの画像配信のためにセキュリティの問題を解決できません。この件に関してはこの世界有数のメーカーに対してセキュリティのためにOSやIEのバージョンアップにすぐに対応するように求めてきましたが、対応は遅々として進みません。また、Web配信というのであれば他のブラウザーにも対応するように求めてきましたが、例えばiPad等でも閲覧できるように求めると、既に画像サーバーがあるにもかかわらず高額のサーバーをもう1台建てろなどと訳の分からない対応です。今回の警告に対してもまだ何のアナウンスもありません。患者情報をWeb配信するシステムを提供しながらセキュリティに関してユーザーに何のアナウンスもしないふざけた企業だと感じます。

かつてコンピュータの世界を席巻したIBMの凋落、今回の報道以前から感じ始めたMicrosoftの凋落だけではありません。経営の神様などと言われたJack Welchが率いたこの企業もこのような対応をしていると再びの凋落を予感させます。


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