2018年2月27日付当ブログ「通院を止めてしまう心房細動患者はどんな人たちなのか」で通院を止めるのは、無理解な人たちではなく通院が困難になる高齢者だと示しました。 この4年間追跡した方たちの予後を腎機能別に見たものが図1です。
クレアチニンクリアランスが50ml/min未満の方の死亡率は50以上の方の7倍も高値でした。この差は75歳未満の方の死亡率(1.1%/年)と75歳以上の方の死亡率(1.7%/年)の差以上の大きな差でした。よく言われるように心房細動患者さんの予後不良の因子として年齢もさることながら腎機能が大きな意味を持っていたのだと改めて感じます。
図1 クレアチニンクリアランス別の4年予後 |
高齢になり腎機能がどんどん低下する心房細動患者の予後は悪くても仕方がないと諦めるしかないでしょうか?
図2 2年間でのクレアチニンクリアランスの低下 |
2年後のこのデータを見て何かできることはないのかと考えてきました。年齢を逆戻りさせることはできないので腎機能の低下を何とか抑えられないだろうかと2年後のデータを見てから考えてきました。
図3 4年間でのクレアチニンクリアランスの低下 |
図3は4年間の変化です。4年間のデータがそろっている方の変化ですから2年のデータよりもnは少なくなっています。この方たちで75歳以上の方の変化を見ると2年間で16.0%低下したクレアチニンクリアランスはその後2年での低下率は6.8%でした。生き延びている、ドロップアウトしていないということが低下率を小さくした要因かもしれませんが、腎機能を低下させないぞという意思が腎機能の低下率を小さくしたと思いたいものです。
願い、努力すれば叶うと信じて心房細動患者の腎臓を守ってゆきたいと思います。
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