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Fig. 1 IVUS imaging just after stenting 6m ago |
70歳代後半の女性です。 2007年に右冠動脈の近位部に90%狭窄を認めたためにCypher stentの植え込みを行いました。狭窄部位は入口部から少し中に入った部分でしたので入口部にはステントはかかっていません。
しかし、今年2月にCTで検査したところ入口部に高度狭窄を認めました。このため入口部にステント植込みを行いました。Fig. 1は植込み直後のIVUSですが3.5㎜バルーンで後拡張を行い、この程度の拡張であればと終了しました。IVUSでも入口部から少しステントが顔を出していることを確認しました。植え込んだステントはRadial Forceが強いと言われているT社のものです。
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Fig. 2 Coronary CT 6m after stenting |
Fig. 2は半年後のCTです。古いステントには再狭窄を認めないものの2月に入れたステントはペチャンコになっています。このため再度PCIをすることにしました。Fig. 3はPCI前のCAG像です。今回は、4.0㎜に拡張することを目標として、ステントはA社のものを選択しました。入口部から前回よりももう少し外に出して終了です。
右冠動脈入口部へのPCIは再狭窄の発生が多いことが昔からよく知られています。しかし、ここのところ当院で植え込んだ右冠動脈入口部の薬剤溶出性ステントでは再狭窄を免れるケースばかりでしたから、このようにステントが潰れてしまうことにはショックを受けました。今回植え込んだのは、以前から再狭窄の少なかったA社のものですがRadial ForceはT社のものには劣ると言われています。これでもステントが潰れて再狭窄するようであれば1枝病変ですがCABGも考えなければと思っています。
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Fig. 3 Before 2nd PCI |
Radial Forceは、冠動脈の軸に向かって潰れる力に抵抗する力です。リコイルする力に抵抗できないふにゃふにゃのステントではもちろんステントの意味をなさないでしょうが、Radial forceは強ければ強いほど良いのでしょうか?既に発売が中止になったJ社のステントはA社のステントよりもRadial forceは強かったと思いますが、再狭窄率はA社のステントの方が低いと信じられています。
Radial forceが強いほど再狭窄率は低いだとか、Fractureに強いというエビデンスを私は知りません。なのに安易にRadial Forceが強いステントを使用すべきだと思い込んでいました。BMSから数えれば20年近くもステントを使っているのにこんな概念しか持っていなかったのかと反省です。
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Fig. 4 PMDA approval data |
しかし、個別のステントのRadial Forceを知っていて悪くはありません。T社のDESのRadial forceを調べようとPMDAの承認資料をPMDAのweb siteから見てみました。Fig. 4です。相変わらずすべて黒塗りです。Radial forceの強いステントと言われて販売されているステントの承認資料は公表されません。患者の生活や命に係わるデータが黒塗りなのは東京電力だけではなく、東京電力に黒塗りを止めろと命じた政府の機関も同じでした。
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