Tuesday, April 21, 2015

総腸骨動脈に対するカテーテル治療前後の血管エコー

2015年4月17日のブログに書いた方の血管エコーです。

左そけいで脈が触れないことからその中枢部に狭窄があることは検査をせずともわかることですが、エコーでも中枢側に狭窄があることが明白です。

図上段の狭窄部の流速は加速しておりPSVは350㎝/sを超えます。ただこの狭窄部位の同定は総腸骨動脈の起始部から順に血管エコーをして導き出したものではありません。

図中段のカテーテル治療前の浅大腿動脈の血流波形ですが、本来の3相波ではなく1相になっています。これは中枢側の高度狭窄のパターンですからこの時点で触診なしでもこの部位よりも中枢に狭窄があることが判明します。

図下段はカテーテル治療後の血流波形です。きれいな3相波ではないですが一応3相波になっています。

エコーの短軸像でarea stenosisを算出することよりも加速血流や、血流波形で臨床的にあるいは病的に意味のある所見かが見て取れます

かつては冠動脈においても75%狭窄だからカテーテル治療が必要だとかバイパス手術が必要だとかの判断をしましたが、、現在では単純な狭窄度よりも機能的にあるいは生理的に問題を起こしているかの判断も重要視されます。Physiological PCIのような概念です。

自覚症状、身体所見、狭窄度のような画像診断、機能的な評価の組み合わせで、より質の高い治療実施の判断、治療の成果を得なくてはなりません。


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