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当院の15%超の残薬率がもし一般的なものであればどのような意味があるのでしょうか?ちゃんと内服していないために脳塞栓症が増えるだけではありません。
平成28年度の薬局で調剤された薬剤料は5兆3千億円でした。循環器用薬に限ってもおよそ1兆円でした。15%が内服されずに無駄になったとすると全薬剤で約7500億円、循環器用薬だけでも1500億円が無駄になっている計算です。残薬の管理ができていないことで生じる日本の医療費の無駄使いは小さくない意味を持っていると感じます。厚生労働省の統計では年間500億円が無駄になっているとされていますが、残薬が1%のみだという統計はとても信じられるものではありません。厚労省はどのように残薬をカウントしたのでしょうか?
福岡で熱心に取り組まれ、鹿児島や東京にもこの残薬バッグは普及しつつあります。薬剤師会が中心です。当初、私は、薬局でのチェックの内容を聞くだけでしたが、なにかこの方法だけでは残薬が減らないと感じていました。今は、薬局にカウントしてもらうために私自身が残薬を見せてもらい、どうしてこんなに残ったのだろうと患者さんと話をするようにしました。多くの方は、なぜだか分からないと言われます。一方で、理由を明確に述べられる方の中には抗凝固剤を内服して血圧が下がりすぎたからとか体重が減ったから、便秘をするようになったからという方もおられます。そんな理由で無断で脳塞栓症を減少させる薬を自分の判断でやめていることを非常に危険だと感じます。
残る薬を介して患者さんの考えていることを知ることができ、患者さんとの距離が縮んだと感じます。薬剤師会に任せるのみだけではなく、診察室の医師も積極的に残薬に目を向けることをお勧めしたいと思っています。
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