2013年8月初めに左前下行枝近位部の90%狭窄に薬剤溶出性ステントの植え込みを行った方です。退院後1ヶ月の間に4回のNTG舌下が有効な胸痛がありました。1回は冷汗も伴いました。このため造影したのが上段の図です。
#6にはもちろん再狭窄はなく#12の更に分岐にのみ90%狭窄を認めます。これは前回のLADに対するPCI時と同様の所見です。前回の造影時にこの病変の認識はありましたが小血管でありPCIを全く考慮しませんでした。多少、胸痛があったとしても私の場合、小血管にはPCIをしないことがほとんどです。2.25㎜のDESが使えるようになり、小血管でもDESの優位性を示す文献も出てきていますが、小血管同士の分岐部にDESを置いて本当に再狭窄を最小化できるか疑問に思っています。
2013年4月7日付当ブログ「2.25㎜の薬剤溶出性ステントのリリースに際して考えること」に記載したように私は最終拡張目標径が2.5㎜の血管に2.25㎜のDESを植え込むことは想定していても2.25㎜で終わろうとか、2.0㎜にするべく低圧で置こうということは現時点で想定していません。また。2.5㎜未満の径のBMSの成績も期待できないので最初からPCIをしないというのが基本的な考えです。
とはいえ1か月間で4回もNTG舌下が有効な胸痛があり心配して予定外来日よりも早く来られた方を流石に放置できません。PCIをすることにしました。ステントを置くならどうするか、#12の中の分岐部をどう処理するかなどを考えましたが一晩考えて出した結論はバルーンだけで終わるという方針です。
小径の冠動脈に対するPOBAですから予想される再狭窄の頻度は小さくありません。勝手な印象ですが。こうした小血管は再狭窄を繰り返してもそのうちに症状も出なくなると思っています。そんな印象通りの経過を期待してPOBAだけで終了です。
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