Thursday, January 2, 2014

石を磨いて玉にする手間を惜しんではならないと肝に銘じましょう

2014年を迎えました。

2014年は私にとって還暦を迎える年です。鹿屋ハートセンターも8回目のお正月を迎えました。
今年は鹿屋ハートセンター開設以来初めてお休みをいただきました。このお休みを利用し、ハートセンター開設以来どこにも連れて行ってやれなかった息子に初めての海外旅行を経験させようと計画しました。とはいえ最も近い韓国です。鹿児島空港からインチョンへの直行便で約1時間です。

インチョンに着き、入国手続きを済ませ日本円を現地通貨に換え、あえてタクシーは利用せず、バスの乗り場を探し予定のホテルに辿り着きました。いづれ成人し、自分で海外に行くということがどのようなことかを自分で経験させても良いのですが、親バカなのでしょう。こんな風にするのだよと見せたかったのです。

やはり韓国は近いです。その近さゆえ、福岡も鹿児島もアジアに目を向けアジアへの玄関口としての優位性を発揮しようなどという話をよく聞きます。しかし、私はこの発想に懐疑的でした。たかだか飛行機で15-30分しか変わらない距離で魅力の乏しい土地が、魅力あふれる東京や大阪にかなう筈がないと思っていたのです。もし、アジア諸国への窓口として発展を期待するのなら大事なことは距離よりも魅力だと思っていました。

2013年、鹿児島県にはこのテーマに関わる問題が起きました。鹿児島-上海線を維持するために。県が県職員をこの路線に県費で搭乗させ、搭乗率を維持することで廃線を防ごうとしたことが問題になりました。この県の方針も、魅力のない路線を維持するために県費で県職員を乗せたところで維持できる筈もなく、「焼け石に水」だと思っていました。大事なことは路線の魅力ですから、そんなことに県費を費やすのなら魅力を高めるためにその経費を使うべきだと思っていました。

そうした感覚は、今日、韓国から帰ってきてより確かになりました。余ったウォンを鹿児島で両替しようと思っていたのですが鹿児島空港の両替所はお正月ということでお休みでした。驚きました。かつてはお正月や深夜に海外の空港に居たことは少なくありませんでしたが、両替所のない空港を初めて見ました。韓国からの旅行者は鹿児島空港について驚き、困ったことでしょう。日本に着いてから両替しようと思っていた旅行者はどのようにして目的地に向かったのでしょう。私であれば、そんなことで困った経験をすれば2度とそんな国やそんな土地に行きたくないと感じるだろうと思いました。アジアへの玄関口を目指すと言い、大枚の県費を費やした鹿児島県の空港には外貨を両替する窓口はお正月にはないのです。そんな疎漏がある土地がアジアの玄関口になれる筈はありません。

目標を持ち、それを実現するために必要なことはお金だけではありません。時には鳥瞰も必要でしょうし、時には蟻が這うような視線も必要です。「焼け石に水」にならないように、石を玉(ぎょく)にするためには手間や時間をかけた磨く作業が必要です。その手間をかけずに県費で職員を搭乗率維持のために上海に派遣するような事業は全く無駄だと再認識です。

この事例だけではなく、石を玉にするためには手間を惜しんではならないと肝に銘じましょう。わずかな疎漏が玉を台無しにします。新年を迎え、新たな教訓を得たことを良しとするお正月です。

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