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夜間に隠れて飲水しているところを看護師に見つかり注意されると怒りだし、怒鳴り散らしていました。入院中ですから内服は確実です。良くならないために注射での利尿剤も頻繁に追加していました。飲水制限をちゃんとしてくださいと注意をし、怒鳴り返されるということを繰り返しているうちにもう仕方がないのかなと私も考え始めました。
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拡張型心筋症などに使用される心臓再同期療法(CRT)に反応しない方、ベータブロッカーやACE阻害剤、ARBに反応しない方などでも、心臓の状態やリードの位置やCRTの設定だけではない要素があるのではないか等と感じます。
最下段の図は別の患者さんです。僧帽弁置換術を受けているためにワーファリンが必要な方です。1㎎の内服でもINRが極端な高値になったり、3㎎の内服でもINRが低値のままであったり全くコントロールできませんでした。他の薬剤を内服していないか、ちゃんと内服しているのか等と問い詰めるばかりの外来でした。それがある時から安定し始めました。問い詰める気持ちもなくなり、ちゃんとしろという気持ちもなくなった後、なるべくその中でも問題が起きないように頑張ろうと考え始めてから安定し始めたように感じます。
患者教育だとか患者指導だとか、医学的な知識を振りかざして患者さんを抑圧し、閉じ込めていると実現できなかったものが、よくしたい、よくなりたいという共通の目標のために共感し、心が共鳴し合った時に実現するものがあるような気がします。目に見えるものだけを対象に知識や経験を駆使してきた私がこのように考えるのはきっと数年前から一緒にケースカンファレンスをしている浜松大学の臨床心理学 中島登代子先生の影響だと思います。目に見えるものだけを見て診療する医師からは新井はおかしくなったのではないかとか、心で患者が良くなれば苦労はない等と言われるかもしれませんが、患者に共感し、共鳴しても失うものはありません。患者さんと心が共鳴することができれば薬もカテーテル治療も必要ない等と思っている訳ではありません。しかし、薬や手術だけではない要素にも目を向け大事にしてゆきたいなと感じます。
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