Wednesday, July 18, 2012

冠動脈CTの撮像 当院でのコアベータの使い方

図1 CTでみた不安定狭心症
このブログで最も長く、よく読んでもらっている記事はプラザキサに関するものです。ついで長く読んでいただいている記事は2011年9月29日付のブログ「冠動脈CTのプロトコールを変更しました」です。「コアベータの使い方」というようなキーワードで検索され辿り着かれています。辿り着かれた方はがっかりしていると思います。コアベータを使うようにしましたとしか書いていないからです。無駄な時間を使わせたと申し訳なく思います。

図2 不安定狭心症 PCI前
昨年9月末にコアベータを使うと宣言してからずっとそのようにしてきましたが、多少の修正はしています。コアベータの添付文書では1回0.125mg/kgを1分間で静脈内投与するようにと記載されています。コアベータ1Aは12.5㎎ですから100㎏の方であれば1AをIVすることなります。当院では10mlに希釈していますから、100㎏の方であれば10ml、50㎏の方であれば5mlです。図の方は64㎏ですから6.5mlです。

コアベータを使い始めるようになって当初は、それまで使っていたメトプロロールを使わなくなっていました。いきなり心拍数の高い場合でもコアベータを使用していたのです。このやり方で検査すると、レートが決められた量で下がらない方が多いことが分かりました。このため画質にも影響が出ました。このため最近ではメトプロロールを以前と同じように内服していただき、それでもレートが下がらない場合だけコアベータを追加するように改めました。このやり方に改めてからレートが下がらなくて困るケースはほとんどいなくなりました。

冠動脈CTを撮影する場合、必ず検査前に診察します。造影剤アレルギーの既往を確かめることがCT前に顔を見る目的の一つですが、もう一つは怖い検査じゃないからドキドキしないでねとお話しすることです。このCT前の顔見せは重要だと思っています。この時に心拍数が60程度であればセルシン2㎎だけ内服して検査に回ります。そして撮影前にNTGを舌下して撮影です。

心拍数が70を超えている場合、メトプロロール40㎎を内服していただきます。かつてはセロケンを使っていましたが今はロプレソールです。CT室に入って心拍数が60程度であればコアベータを使用せずにNTGを舌下して撮影です。70を超えているようであれば初めてコアベータを使用しています。

このやり方に変えてコアベータを使う頻度は減少しました。メトプロロール40㎎26.5円に対してコアベータ1Aは約100倍の2634円ですから患者さんの負担減にもつながっています。

このブログをアクセスして頂いて当院での使い方も書かずに申し訳ないことをしました。今回は、お詫びの気持ちを表すために当院でのコアベータの使い方を記載しました。

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