Friday, August 30, 2013

学会参加のための留守中に当院に通院されている方の緊急PCIを他の病院にお願いしました。

鹿屋市内にはPCIが可能な施設が4つあります。2000年に私が鹿屋に来た時に初のPCI施設ができたことを思えば13年で良くここまで来たと思います。鹿屋市の人口は約10万人ですから、現在の施設数は過剰とも言えます。ただ過剰という考えは提供する側の論理で、治療を受ける側で考えれば選択肢が多いわけですから悪くはないとも言えます。こうして施設数が増えたことで当院に通院されている方が不安定化したとしても、当院だけしかないのだから休むわけにはいかないという状況は解消されました。留守をお願いして学会などにも行けるようになってきました。

 図は当院に通院されている方で7月のCVIT総会で私が留守をしている時に胸痛があり、鹿屋市内の他のPCI可能施設にお願いした方です。すぐに対応して頂き、感謝しています。冠攣縮性狭心症の診断でCCBを使っていました。

 入院時のECGでST上昇があり、心エコーでも前壁にasynergyがあったとのことで緊急CAGが実施され、#7が99%狭窄であったためにステント植込みを受けたと経過を頂きました。

この方は6月に当院でCAGを行い、#7は50%狭窄と評価し内科的治療の方針としていました。6月のCAGが最上段です。

2番目の図は緊急CAGの図です。私には99%狭窄には見えません。3番目の図はST上昇していたという心電図です。これも私にはST上昇には見えません。最下段の心エコー所見ですが、情報提供書には前壁のasynergyとありましたが、所見にはasynergy(-)とあります。

資料を見せて頂くと、診療情報提供書記述との間に解離が多くて戸惑ってしまいます。

症状があり、緊急に対処して頂き感謝もしているのですが、PCIの適応もあっただろうと思いますが、この程度の狭窄を99%と読む医師が育っていることに危惧を抱かざるを得ません。

私は、気がつけば鹿児島県内で現役でPCIをしている術者では最年長になりました。あとに続く術者のために果たすべき役割が残っているように感じます。



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