2020年9月23日水曜日

施設入所者に対する診療は、オンラインと親和性が高いと感じます

新型コロナウイルス感染の拡大後、医療機関での感染を恐れて、受診をためらう人が増えました。受診しないことで元の病気が悪化しないように、オンライン診療を準備してきました。そうした受診を恐れる個々の人よりも感染を恐れているのは介護施設です。密に接して介護しなければならない環境でクラスターが発生すれば、感染の拡大も高齢者であるが故の死も施設として心配なことです。

また、鹿屋市医師会では介護施設での感染拡大により鹿屋市の医療体制が崩壊するのではないかと危惧し、介護施設の団体と協議を重ねてきました。職員の自粛を求める・面会を制限する・新規入所者に対しては一定期間の観察期間を設けてからの入所にする・業者の入所を制限するなどの対策を考えてきました。残った課題は、施設入所者の受診です。このためハートセンターでは、施設に働きかけ、入所者のオンライン診療を呼びかけてきました。上の図は入所者と介助する施設の方を含めたオンライン診療の様子です。96歳の方です。過去に冠動脈にステント植え込みを行った方です。患者・患者家族に了解を得て、ブログに載せることにしました。厚労省のオンライン診療で言うところのD to P with Nです。 Doctor to Patient with Nurse、看護師を伴ったオンライン診療の形です。

下の図は、オンライン診療開始前に送ってもらった血圧記録・体重記録です。この他にも残薬も写真で送っていただきました。

顔色を見て、話し方を聞き、プロである職員の報告を聞いてですから、来ていただいての対面の診療に劣らないことができたと感じました。オンラインにすることで感染機会が減るだけではなく、職員やご家族の受診に要する負担も軽減されます。また、専門的な報告も受けられるので介護施設入所者の診療はオンライン診療と非常に親和性が高いと感じています。こうした入所者を守るためのオンライン診療ですが、積極的な施設もありますが、無関心な施設も少なくありません。よく施設の方と話し合って普及に努めたいものです。


 

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