Wednesday, October 13, 2010

MDCTで敵をよく知り、PCIという戦いを有利に進める

pre PCI

post PCI

LAD CT on Sep. 22, 2010

LCX CT on Sep. 22, 2010
 本日のPCIのケースです。12年前にAMIのためにLADにstent植込みを受けています。9/22に数年ぶりに検査したCTでLADの近位部に強い狭窄を認めます(下段左)。また、ステント内も狭窄に見えます。回旋枝の入口部には狭窄はありません。
 上段のPCI前の造影では、LAD近位部の強い狭窄。プラークは回旋枝の対側のLMTまで及んでいます。バイパスに紹介するかどうかをよくご相談し、ご希望に沿ってPCIをすることにしました。生命に関わるリスクもCABGと変わらず、PCIによる死亡の可能性も少ないものの存在することもお話しました。
 拡張前のIVUSでも回旋枝の入口部には狭窄は認めませんでした。回旋枝の入口部に狭窄がないことより手技がシンプルになるようにステント植込みまで回旋枝にワイヤーは挿入せず、プロテクトをしませんでした。予想通り、ステント植込みを終わってもjailになった回旋枝の血流は保たれており、ステント植込み後にワイヤーをクロスさせ、バルーンでストラットを拡張しました。IVUSを見る前にCTで計画していた戦略どおりの拡張が出来ました。CTで病変をよく観察することで造影で知る以上の情報をPCI前に得ることが出来ます。これで戦略を立てることが出来ます。己の力量をよく知り、敵(病変)のことをよく知ることは治療という戦いを有利に進めます。
 この例を含めて2例のPCI、2例の診断カテを14時半から始め、17時に終了です。

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