Friday, June 22, 2012

OCTで解明された病態 6/14のブログのケースのその後

Fig.1 Before and After Heparinization

Fig.2 OCT imaging after Heparinization
2012年6月14日付の当ブログ「PCI施行時の瞬発力と鈍感力」に提示した方のOCTを本日施行しました。普段は置いていないOCTの手配に時間がかかったのと、鹿大から応援に来てくれている先生と一緒に仕事をしたかったので本日になりました。この間、ヘパリン化を続けていました。

Fig.1に示すようにLCX take-offに認めたステント内血栓はきれいに消失し、閉塞していたLAD末梢もきれいに造影されます。ヘパリン化によって血栓の処置はうまくいったことになります。

では、ステント内に血栓が付着した因子は何かを検討するために実施したOCT像をFig.2に示します。この像には示していませんが、ステントの圧着は良好で浮いている所は全く認めませんでした。しかし、ステントの近位部であるLMTのLADとの対側(11時方向)に破綻したThin-cap Fibroatheroma (TCFA)を認めました。この位置であれば、LAD方向に塞栓を飛ばしたのも頷けますし、ステント内に血栓形成したのも納得です。血栓も消失し、病変は安定しただろうとの判断で本日は観察のみで終了です。

他医でIVUSガイドで実施されたステント植込みですから、その時のIVUS像はどうであったか興味は尽きません。機会を見て画像を見せてもらおうと思っています。

急性期に、血栓の付着したruptured plaqueを見ていたら、そしてそれにInterventionを加えるとしたらどんな手技になっただろうかと考えます。LMT分岐部を巻き込んだ血栓性の病変ですから安全にPCIが可能であったろうかと思います。結果論かもしれませんが、鈍感力を発揮して正解だったと思っています。

また、このケースのLDLはアトルバスタチン(リピトール)を5㎎内服して71㎎/dlです。この状況で破綻したplaqueです。今後の内科的な管理に知恵を出さなければなりません。

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