2020年8月22日土曜日

安心して受診していただくためには、安心して受診していただけるように努力し、その姿を見てもらわなければいけないと思う

 図は、少し前にFacebookにあげた、毎朝診察前に待合室で患者さんにお話ししている姿です。3月26日に始めたのでほぼ5か月が経過しました。待合室やてすり、ドアノブやトイレは職員の手で毎日清掃し、アルコールで拭きあげていることなどを説明しています。また、職員の努力だけでは足りないので、来院される方にもマスク着用をお願いし、来院時にも帰る時にもアルコールで除菌してくださいとお願いしています。時には、拍手を頂くこともあり照れくさいひと時です。受診のたびに聞かされるのですから「また同じ話か」と言われることもあり心が折れそうになることもありますが、もういいやと思うと気をつけようと思う気持ちが私も患者さんもなくしてしまうのではないかと思い、やめられません。

今朝は、「マスクなんて必要ない」、「コロナなど死亡率も低く恐れるほどの病気でもない」、「ワクチンなんかあてにならない」などという医師もいるが鹿屋ハートセンターでは対策を続けていきたいとお話ししました。

飲食店を例にとります。対策なんか意味がないと店主が言い、密の状態で皆が使いまわすトングなどを使って飲食を提供するお店があったらそんな店に行こうと思う人はいるでしょうか?コロナパーティーを開こうなどという人は行くかもしれませんが多くの人は敬遠すると思います。医療機関も同じだと思っています。精いっぱいの対策をし、その姿を見ていただかないと安心して来ていただけないだろうと思っています。それでも感染のリスクはなくなりません。病院やクリニックには怖くて行けないという人に心配しすぎだと言っても納得してもらえるはずがありません。ですからそんな方にはオンライン診療をすることにし、実際運用しています。心配する人に心配するなということほど空しいことはないと思っています。黙って言うことを聞いておけという姿勢は通用しません。心配を解消する努力を医療機関も飲食店も求められているのだと思っています。不安を理解する気持ちを持たなくてはいけないと思っています。その結果でしょうか、鹿屋ハートセンターの受診患者さんはほとんど減少していません。ありがたいことだと思っています。

聴診器を当てる前に、聴診器をアルコール綿で拭きあげてから聴診するようにしています。その姿を見て「先生も大変ですね」という方もおられますが、いつも返事は同じです。お一人ずつ聴診器を拭きあげることなど、全然大変ではない、ハートセンターに行ったらコロナになったというほうが大変だからと言っています。なってから慌てるよりもならないように対策する方が簡単だからとお話ししています。

完璧な対策などあるはずがありません。しかし、元の病気に対する治療の中断による悪化を防ぐために定期的な受診は続けてほしいと願っています。そのためには安心して受診できるように努力し、努力する様子も実際に見ていただくのが良いだろうと考えています。新型コロナ禍が終息し、あの頃は大変だったねと患者さんと笑って言いあえるように対策を継続し、ともに乗り越えましょうと話し続けようと考えています。



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