2006年10月に鹿屋ハートセンターはオープンしました。2010年10月1日で丸4年が経過したことになります。開設以来ほぼ4年間、使用した16列MDCTを2010年9月で64列MDCTに更新しました。
機種は
GE社製Optima CT660Proです。
19床の小さな医療機関ですので、リース終了前の機器の更新は、大きな経済的な負担です。にも拘わらず更新を決意した最大の理由は私が植え込んだ冠動脈内ステントの評価です。16列MDCT時代には、ステント内の評価は全くできないと考えていました。このため評価できない検査のために無駄な被ばく、造影剤の負荷、経済的な負担を患者さんに求めてはいけないと考えていました。一方で、半年毎や1年毎に冠動脈造影を実施している病院があるのも知っていますが、再狭窄の頻度も高くないのに繰り返し冠動脈造影を行うのにも抵抗がありました。
このためステント植込み後6カ月後の冠動脈造影を実施後は、負荷心電図以外の検査を全くしてきませんでした。しかし、植込み後3年、4年と経過した方をなにも評価せずに放置していてはいけないと思い始めました。それならばステント内を評価できるCTに更新すべきだというのが今回の決断の理由です。はたして冠動脈内ステント内の評価は今度の機種更新で可能になるのでしょうか。
さて本日のCTのケースです。70歳代の男性、糖尿病とASOがあり運動負荷は困難です。
2006年10月に右冠動脈にDriver stentを、2007年10月に左冠動脈前下降枝の長い病変に複数のTAXUS stentを植え込みました。
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2006年10月ステント植込み前 |
これだけのステント内の評価ができるのであれば、冠動脈造影は不要です。この方の場合、ステント植込み後の評価を目的に冠動脈造影を実施することは生涯ないだろうと思っています。
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2006年Driverステント植込み後 |
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2007年10月ステント植込み前 |
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2008年Taxus stent植込み後1年 |
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2010年9月 冠動脈CT |
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2010年9月 冠動脈CT LAD |
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2010年9月 冠動脈CT RCA |
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