Fig. 1 RCA evaluated with MDCT |
入院から2日後の本日、CAGを行いました。Fig. 2はコントロール造影です。矢印に示す部位に解離を思わせるslitが認められます。Fig. 3はエルゴノビンによるスパスム誘発試験です。陰性ですので早朝の胸痛ですがスパスムらしくはありません。
そこでOCTで評価しました。9時から2時位でしょうかlipid poolがあり11時位にruptureによると思われるcapの破綻と空泡化が認められます。
Fig. 2 Control CAG befoe Ergonovine IC |
CTで冠動脈の評価をしていなかった頃、早朝の胸痛で、スパスムの誘発が陰性であったならばどうしただろうと思います。Fig. 2のslit様に見える影は1フレームだけで認められました。プラークラプチャーだろうという目で見ていなければ見落としていたかもしれません。このため心配ないよと帰していた可能性もあり得ます。また、CTの所見がなければOCTまではしなかっただろうと思います。
CTの所見、OCTの所見からplaque ruptureと診断しました。既にスタチンを内服していますがLDLは108です。strong statinに変更し、80程度まで下げなくてはと思っています。また鹿屋ハートセンターから車で5分位のところにお住まいなので胸部症状の発現時にはすぐ相談して頂くようによく説明するつもりです。
Fig. 3 After Ergonovine IC |
当院で何人の方にスタチンを処方しているかは数えていませんが、おそらく400名ほどではないかと想像します。もっとかもしれません。
このケースは胸痛のあったケースですが、冠動脈MDCTを使うようになり日常診療に変化が生じています。有症候の狭心症に対する治療、無症候性心筋虚血に対する治療から、冠動脈CTを駆使して虚血を伴わない冠動脈病の治療へと意識が変わってきました。
Fig. 4 OCT imaging |
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