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2012年8月30日木曜日

右冠動脈入口部に植え込んだ薬剤溶出性ステントの変形 Radial forceは強ければ良いのでしょうか?

Fig. 1 IVUS imaging just after stenting 6m ago
70歳代後半の女性です。 2007年に右冠動脈の近位部に90%狭窄を認めたためにCypher stentの植え込みを行いました。狭窄部位は入口部から少し中に入った部分でしたので入口部にはステントはかかっていません。

しかし、今年2月にCTで検査したところ入口部に高度狭窄を認めました。このため入口部にステント植込みを行いました。Fig. 1は植込み直後のIVUSですが3.5㎜バルーンで後拡張を行い、この程度の拡張であればと終了しました。IVUSでも入口部から少しステントが顔を出していることを確認しました。植え込んだステントはRadial Forceが強いと言われているT社のものです。

Fig. 2 Coronary CT 6m after stenting
Fig. 2は半年後のCTです。古いステントには再狭窄を認めないものの2月に入れたステントはペチャンコになっています。このため再度PCIをすることにしました。Fig. 3はPCI前のCAG像です。今回は、4.0㎜に拡張することを目標として、ステントはA社のものを選択しました。入口部から前回よりももう少し外に出して終了です。

右冠動脈入口部へのPCIは再狭窄の発生が多いことが昔からよく知られています。しかし、ここのところ当院で植え込んだ右冠動脈入口部の薬剤溶出性ステントでは再狭窄を免れるケースばかりでしたから、このようにステントが潰れてしまうことにはショックを受けました。今回植え込んだのは、以前から再狭窄の少なかったA社のものですがRadial ForceはT社のものには劣ると言われています。これでもステントが潰れて再狭窄するようであれば1枝病変ですがCABGも考えなければと思っています。

Fig. 3 Before 2nd PCI
Radial Forceは、冠動脈の軸に向かって潰れる力に抵抗する力です。リコイルする力に抵抗できないふにゃふにゃのステントではもちろんステントの意味をなさないでしょうが、Radial forceは強ければ強いほど良いのでしょうか?既に発売が中止になったJ社のステントはA社のステントよりもRadial forceは強かったと思いますが、再狭窄率はA社のステントの方が低いと信じられています。

Radial forceが強いほど再狭窄率は低いだとか、Fractureに強いというエビデンスを私は知りません。なのに安易にRadial Forceが強いステントを使用すべきだと思い込んでいました。BMSから数えれば20年近くもステントを使っているのにこんな概念しか持っていなかったのかと反省です。

Fig. 4 PMDA approval data
しかし、個別のステントのRadial Forceを知っていて悪くはありません。T社のDESのRadial forceを調べようとPMDAの承認資料をPMDAのweb siteから見てみました。Fig. 4です。相変わらずすべて黒塗りです。Radial forceの強いステントと言われて販売されているステントの承認資料は公表されません。患者の生活や命に係わるデータが黒塗りなのは東京電力だけではなく、東京電力に黒塗りを止めろと命じた政府の機関も同じでした。

2012年1月31日火曜日

久々にstent fractureについて書きます


 2010年10月から2011年2月まで精力的にstent fractureについてブログを書きました。以後、ほぼ1年この問題について書いてきませんでした。

長く書かなかった理由の一つは、最近の薬剤溶出性ステントでめっきりとfractureを見なくなったからです。もう一つの理由はPMDAの体質です。

PMDAの国民の声という欄に何故、黒塗りなどするのかと問い合わせた後のPMDAの医療機器承認情報の検索画面が上段の図です。「本情報の内容を情報提供者に無断で複製、転載、頒布する等の行為を禁じます。」という一文がこの検索画面に表示されるようになりました。別にこの脅しに屈したわけではないのですが、呆れて書く気を失ったというのが本音です。

「この法律は、国民主権の理念にのっとり、法人文書の開示を請求する権利及び独立行政法人の諸活動に関する情報の提供につき定めること等により、独立行政法人等の保有する情報の一層の公開を図り、もって独立行政法人等の有するその諸活動を国民に説明する義務が全うされるようにすることを目的とする」と独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の第一条に書かれています。この理念に基づき情報が公開され、インターネット上で誰もが見られるようになったのです。インターネット上に公開した文書を頒布することを禁じますというのはどのような神経なのでしょうか。インターネット上に公開した情報はもう既に国民のものでPMDAが口をはさむ余地のない情報と思えるのですが、霞が関の役人にはそのようには思えないようです。このような感覚の官僚にこのようなことは止めましょうよと言っても無駄に思えて書くのをやめたのです。

黒塗りは問題ではないのかとPMDAに問い合わせた後に承認されたステントの承認文書が中段です。ステントのクロッシングプロファイルの規格も測定結果も黒塗りです。真面目なPCI術者なら当然知っておきたい情報を明らかにすることでこの法人の競争上の地位は脅かされるでしょうか。以前にも書きましたが、優れた製品の規格や、その試験結果も公表されることでその法人の競争上の地位を高めますし、国民の利益にも一致します。PMDAは、法人のためにもならない、国民のためにもならない黒塗りをいつまで続けるつもりなのでしょうか。

最下段はFDAが、薬剤溶出性ステントの認可を行った際に、メーカーに送った書類です。この承認書類にはもちろん黒塗りはありません。また、承認した責任者の氏名とサインも記載されています。日本の承認書類にはこのような責任者の氏名は出てきません。

行政の無駄をなくせ、薬や医療機器の承認をスピードアップさせろ等の理由でPMDAは創設されたと理解しています。しかし、出来上がった組織は誰のためにもならない黒塗りを実行し、FDAのように責任者の名前を出すような組織ではありませんでした。このような官僚機構の体質を是正せずに行う行政改革っていったい何なのだと思うのが今回の久しぶりに書くfractureの記事です。かつての自民党政権時代にこのような問題に気付いたら、民主党の議員さんにこんなことはおかしいと思わない?と問題提起が可能でした。今はどうでしょう?こんな行政機構っておかしいでしょって言っても行政側に行ってしまった民主党は役に立たないでしょう。一方でそちら側に帰りたい自民党の皆さんも取り合ってくれないことでしょう。チェック機構が失われたことが2009年の政権交代を実現させた衆議院選挙の結果であったと考えれば、現在の政治の閉塞感の理解は容易かもしれません。

2011年2月23日水曜日

公務員の無謬性という名の誤謬 PMDAにフランシス・ケルシーは登場しないのでしょうか

Fig. 1 Answer from PMDA to my Question
  毎週の、あるいはこの1月のアクセスランキングを見ると、常にstent fractureに関わる、投稿が上位に顔を出します。比較的、新しい投稿にもかかわらずこのブログ開設以後すべての投稿の中でも3つのPMDAに関する投稿は上位10位にランキングされます。それほどに関心が高いのだと思っています。しかし、1/29以後、しばらくこの話題は投稿しませんでした。


Fig. 2 Masked PMDA document

医療機関の監督官庁である厚生労働省と関係の深いPMDAに対する批判が、当院の運営にマイナスにならないかと少し危惧したことが一つの理由です。やはりお上にたて突くには少しの勇気が必要なのです(ただ、たて突く気持ちもありませんし、たて突いているとも思っていませんが…。)投稿しなかったもう一つの理由は、おかしな人間だと思われたくなかったからです。ありもしない行政とメーカーの癒着を騒ぎ立てたり、科学的な検証もせずに怖い薬だとか医療機器だとかと騒ぎ立てたりする人間だと誤解されるのではないかと危惧したからです。

ブログの投稿後、ステントメーカーの対応は驚くほど真摯でした。PMDAの承認書類の存在を教えてくれたのも、試験にBOSEのマシンを使用していることを教えてくれたのもステントメーカーです。あるメーカーは、東京からわざわざ学術の方が鹿屋まで来られて、stent fractureに危機感を持っており、新たな試験方法を検討していることまで教えてくださいました。メーカーが発生している問題についての正しい認識を持ち、対策を真面目に考えてくれているのであればこの問題は必ず解決するものと信じます。それが故に、真面目な対応をして下さるメーカーのステントを使い続けたいと思っています。

一方、PMDAはどうでしょうか。このようなことをするとやはりストーカーのような人間と思われないかと少し心配でしたが、PMDAの国民の声というコーナーにどうしてPMDAは、透明性をうたいながら黒塗りなどするのかという質問を投げかけました。そして、本日PMDAのそのコーナーに返事が掲載されました(Fig. 1。) 思っていたように、PMDAは事実を隠して、利権を得る伏魔殿ではありませんでした。回答をくれるだけ、PMDAが創設された意味があると思っています。

ただ問題は内容です。『「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」に基づき、(中略)、法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある情報等について、マスキングを行っております。』とのことでした。Fig. 2は、やはりPMDAが公開しているステントの承認文書ですが、ステントの基本的な情報、ストラットの厚さや幅の情報です。やはり黒塗りされています。ステントのストラット厚はメーカーが公表している基本的なスペックです。メーカーが公表しているスペックをPMDAが公開することはメーカーの権利や競争上の地位、正当な利益を害するのでしょうか。また、私が問題にした、試験方法までなぜ隠さなければならないのかという点ですが、正しい試験方法で耐久性が確認できたという内容であれば、メーカーの競争上の地位は高まり、正当な利益も高まるはずです。そこを隠してしまうからこそ、疑念が生じてしまっているように思えてなりません。こんなことを言っては失礼かとも思いますが、マスキングした担当者には、国民に公表すべきデータとメーカーの利益を保護するために公表すべきではないデータとの区別をつける能力が欠如しているのではないでしょうか。

今回の回答は独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の第五条 二 イに記載されている通りです。この条文に基づき不開示にしたものであるから、マスキングしたことについて瑕疵はないとのことだと思います。公務員の無謬性です。
一方、この法律の最も大事な目的を記載した第一条では「この法律は、国民主権の理念にのっとり、法人文書の開示を請求する権利及び独立行政法人等の諸活動に関する情報の提供につき定めること等により、独立行政法人等の保有する情報の一層の公開を図り、もって独立行政法人等の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。 」と記載され、独立行政法人等の有するその諸活動を国民に説明する責務がうたわれています。
さらに第七条では「独立行政法人等は、開示請求に係る法人文書に不開示情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該法人文書を開示することができる。 」と記載され、法人の利益よりも公益が優先すると記載されているのです。
メーカーからどうして公開したのかと責任を問われないために最も確実な方法は公開しないことです。無謬性が担保されます。しかし、こうした構造は、公務員の無謬性を担保するために公益を侵してしまう誤謬のように思えてなりません。正しい情報が、正しい医薬品や医療機器の進歩に繋がり、メーカーや国民の利益が担保されるのだと思います。
メーカーや議員からの圧力に屈することなく、サリドマイドの米国における認可を阻止したFDAのフランシス・ケルシーのような人物は、PMDAに登場するのでしょうか? 彼女のような存在があれば、PMDAの権威やPMDAへの信頼は高まり、国家戦略である日本発の医薬品や医療機器の市場の創設が前に進むのではないかと思います。


2011年1月29日土曜日

PMDAの承認の過程は科学的で統計的に正しいのでしょうか?

 
Fig.1 PMDA approval document
10日ぶりのブログです。今月に入って例年より少し多めのPCIで、本日までに26件でした。大きな施設と比べれば微々たる件数ですが鹿屋ハートセンターにとっては少なくない件数ですし、治療を受けられた一人一人の患者さんにとっては重要な1件1件でした。このため忙しくてブログを書かなかったわけではありません。カテーテル検査やPCIは基本的に17時までに終わるようにしているので時間はたっぷりとあったのです。今日書くことを書くべきか否かでキ-ボ-ドが進まなかったのです。

Fig.2 FDA approval document


Fig. 1は、1/17のブログ 黒塗り文書の拡大です。stentのoverlapでfractureが増えるという臨床の結果を受けて実施されたと思われる重複留置の加速試験の結果の部分です。重複留置に耐え得ると判断する基準として「95%の信頼限界で99%の検体が10年相当の加速疲労を与えた時に1年間の疲労に耐え得る」と記載されています。試験結果として「加速疲労後のステントにおいてストラット破損は認められず、疲労試験前との差は認められなかった」と記載されています。


要は、重複留置したステントの加速疲労試験で破損したステントはなかったとの記載ですが、この後の判定は統計の問題です。試験検体は重複した20組のステントですからサンプルサイズは僅か20です。破損数は0ですから。検体数20の実験で破損数が0であった時、95%の信頼限界で1%以下の破損率であると言えるかという統計です。ある統計サイトでこの数字で計算すると故障率信頼限界は100万件に対しておよそ15万という結果になりました。15%です。驚くほどCTで検出されるstent fractureの頻度と合致します。この統計サイトで計算すると実験で破損が0であった場合、100万件に対して故障率信頼限界が1万程度になるには検体数が約300なければなりません。黒塗りされていない部分だけを見てもこの承認に関わる統計的な検証は正しいのかと疑問を持たざるを得ません。


加速疲労試験は工業製品でよく行われているそうです。こうした工業製品の加速疲労試験の問題として、加速することが実際の使用する場面と異なる状況を作り出している可能性があり、加速が意味をなさない場合に注意しなければならないとされています。たとえば摂氏40度の環境で10年間の耐久性があるかと検証する場合に摂氏400度の環境に1年置いて実験したからといって10年分の安全性が担保されるわけではないということです。12/23付のブログ 行政の責任のなかで毎分60-120回拍動する血管の加速試験モデルとして60-120Hzの振動装置が正しいモデルなのかと疑問を書きましたが、加速試験をする場合にその加速モデルが正しいのかを検証することも重要です。現実の臨床の現場で発生するstent fractureはriskの一つはstent overlapですが、他の一つのリスクは石灰化の存在です。Autopsyでのfractureの発生頻度は172日で29%ですから石灰化に擬した動脈モデル内でoverlapしたstentを毎分60-120回の生理的な振動で1年間実験したらどうでしょうか。より臨床に則したin vitro実験が1年で可能です。


もう1つのstentの長期の安全性の検証方法のヒントはやはり工業製品の寿命を計る手法にあると思います。工業製品には初期の問題が多く発生する初期故障の時期、初期故障の発生が減少する安定期、長期の使用を経て徐々に問題が増える摩耗期の3つの故障率カーブが一般に存在します。この3つのカーブが作る合体したカーブをバスタブカーブと言うそうです。stentも体内に植え込まれてからの問題発生を経時的にプロットしてゆけばfractureの発生頻度のカーブが描出できます。私の勝手な予想ですが冠動脈に植込まれたstentの場合、工業製品のようなバスタブカーブとならずに2つの摩耗カーブが安定期の両端にできるのではないかと思います。overlapや石灰化病変、hinge motionの激しい部位に置かれたstentが早期にfractureするカーブと長期の摩耗カーブの2つです。この摩耗カーブからstentの寿命を統計的に推測することも可能です。ワイブル解析というそうです。鹿屋ハートセンターのようなPCI件数の多くない施設単独でこうした解析はできませんが、国内だけでも年間に10万件以上のstent植込みがなされているわけですから、PMDAや学会が多施設の共同研究を立ち上げればすぐに結果は出ると思われます。


前にも書きましたが、私は薬剤溶出性ステントを是とする立場ですし、現実に多用しています。このブログでこんなにも危険なデバイスをPMDAは杜撰で不透明な形で承認して世の中に出してよいのかと言いたいわけではありません。PCIのアキレス腱であった再狭窄を劇的に減少させた薬剤溶出性ステントの「功」を十分に認めています。しかし、臨床に出てくる製品はいつも100%の出来の製品で臨床に出てくるわけではありません。その欠点や問題点を明らかにすることで、その結果がより良い製品作りに反映され、、結果として患者の利益になることを願っているのです。是非、PMDAは黒塗りといった手法を改め、科学的にあるいは統計的に正しい手法で、安心で安全な医療機器や医薬品を迅速に臨床の場で使えるように承認してもらいたいと願っています。Fig 2に示すようにFDAの文書には当然のように黒塗りはありません。PMDAの黒塗りは一体誰の仕業なのでしょうか。PMDAの承認の権限は国民から委ねられたものです。委ねられた立場であるにも関わらず、委ねた側の主権者たる国民に対して黒塗りで情報を隠すようなことは許されるのでしょうか。米国でこのようなことがあれば、実行者はその地位に留まることはできないでしょう。私はこの黒塗りの過程に理事長の近藤達也先生が関与していないと信じていますが…

2011年1月17日月曜日

終戦直後の黒塗り教科書と現代のPMDAによる黒塗り文書 stent fractureに関わる行政の闇


Fig. 1 Japanese textbook just after the World War II

   Fig. 1は、第二次世界大戦 終戦直後の日本の小学校の教科書です。「ボクハ センシャ兵 ダヨ」といった戦中の教科書をそのまま学校で使っていたために軍国主義思想を排除する目的で左のように黒塗りの教科書が登場しました。黒塗りするのは民主教育から軍国主義教育を排除する目的ですから、黒塗りも理解可能です。とはいえ、こんなものまで黒塗りするのかというような行き過ぎがあったとも聞いていますが…
  

Fig. 2 DES Approval Document of PMDA

  Fig. 2は、薬剤溶出性ステントの認可にあたって、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)がそのホームページで公開している承認文書です。各ステントメーカーは、承認を求めるにあたってPMDAに提出した資料を公開すべきではないかと2010年12月23日付のブログで書きました。この中で私はそのような資料の存在を知らないと記載しましたが、さすがにPMDAです。承認の過程を記載した文書を公開していました。たとえばXience Vであればこのリンク先で公開されています。総ページ数1000ページを超える文書です。


 PMDAのweb siteではPMDAの理念として1番に「国民の命と健康を守るという絶対的な使命感に基づき、医療の進歩を目指して、判断の遅滞なく、高い透明性の下で業務を遂行します」と記載されています。流石です。資料が公開されていることも知らずに行政の責任などとこのブログで書いた不明を恥じるべきと思いました。しかし、驚きました。stent fractureに関わるページをFig. 2に載せましたが、Xience Vは、同等のデザインであるVision stentで行っているので加速疲労試験は不要であると記載されています。BMSではほとんど問題にならなかったstent fractureがDESになって問題になっているにもかかわらずです。また、overlapでのstent fractureが問題になっているために実施されたと思われる「重複留置における半径方向負荷による加速疲労試験」の項では、試験方法が戦後の教科書のように黒塗りされているのです。メーカーは試験方法や試験結果を黒塗りしてPMDAに提出するはずがありませんから、公開にあたって黒塗りする判断をしたのはPMDAです。PMDAは何から何を守りたくて黒塗りにしたのでしょうか。


  何かの実験をして、仮説を実証しようとする時、最も大切なことはMaterials and Methodsです。ここがいい加減な論文はアクセプトもされないでしょうし、仮にアクセプトされたにしても大きな批判にさらされるだけではなく、誰にも信用されないのは常識と言えます。そうそうたる研究者が専門委員に名を連ねるPMDAなのに、なぜこのようなことが起きているのか理解できません。stent fractureに関わる闇は、PMDAによって作られているようにさえ思えます。


  Autopsyで29%、CTによる評価で15%程度のstent fractureが短時間の内に現場で発生しています。試験方法を黒塗りした承認文書では10年に相当する加速試験で99%に破損が認められなかったとされます。では、その試験方法に問題があると考えるのは私の間違いなのでしょうか。問題になったVLST(超遅発性ステント血栓症)よりもはるかに高頻度で発生しているstent fractureを解決するために、黒塗りといった手法は早急に改められなければなりません。

2011年1月3日月曜日

Stent fractureの評価は64列以上のMDCTが最も正確です。  64 or more row MDCT is the most useful modality to evaluate coronary stent fracture.

明けましておめでとうございます。

元日は鹿屋市の救急当番でしたので、正月気分無しの2011年の幕開けになりました。A型インフルエンザの方10名ほどを含めて71人の受診でした。そんな年始でしたが1/2、1/3は少しゆっくりとさせて頂きました。この休みを使って少し勉強しました。テーマは12/23/2010に書いたstent fractureに関してです。

stent fractureは2002年に初めてcase reportとして発表され明らかにされました。
Cornary-Stent Fracture. Perth S et al. N Eng. J Med. 2002; 347: 581

その後、カテーテルを使った冠動脈造影での評価、冠動脈CTでの評価、IVUSでの評価があり、2009年にAutopsyでの評価が発表されました。もちろん最も高い頻度でstent fractureが検出されたのはautopsyです。2010年10月の鹿児島インターベンションカンファレンスにゲストで来て頂いた中澤学先生のpaperです。その中で示されたstent fractureの頻度は29%でした。
Incidence and Predictors of Drug-Eluting Stent Fracture in Human Coronary Artery. A pathologic Analysis. Nakazawa G et al. JACC 2009; 54; 1924-1931
それまでカテーテルを使った冠動脈造影での評価では1-2%の頻度とされていたわけですから如何に冠動脈造影がstent fractureを発見するのに無力かが分かります。では死亡後の検査でしかstent fractureは正確に評価できないのでしょうか。

64列MDCTで評価したHecht HSらの検討ではカテーテルを使った冠動脈造影では1.0%にしか検出されなかったstent gapが64列MDCTでは16.9%に検出されたと報告されています。またstent gapの存在とステント内再狭窄には関連があると報告されています。64列MDCT導入までstent fractureなどほとんど見たことがないと私は思っていましたが、見えていなかっただけでした。
Stent Gap by 64-Detector Computed Tomographic Angiography: Relationship to In-stent Restenosis, Fracture, and Overlap failure. Hecht HS et al. JACC 2009; 54; 1949-1959

IVUSでのstent fractureの評価はその解像度ゆえに困難だというのが一般的な考えです。ですから臨床的に最も有力なstent fractureに対する診断方法は冠動脈CTと言えます。stent fractureに関連したステント内再狭窄まで評価しようと考えれば造影剤が必要ですがstent fractureだけ検査するのであれば造影剤は不要です。stent植込みを行った医師としての責任を果たすために、負担の少ない造影剤を使わないCTでの評価を考えてゆきたいと思います。

中澤先生の論文では植込み後わずか172daysで29%のfractureの発生です(interquartile range (IQR) 31-630 days)。5年、10年と経過した場合の発生はいかほどになるのでしょうか。FDAや厚生省が求める4億回の加速試験がどれほど役に立っていないかの証明のように思えます。臨床の結果はメーカーの試験結果を否定しています。同時に行政の認可をも否定しています。ステント植込みに携わる医師として、また、関わる学会として臨床の結果はこうだったよと言うだけではなくメーカーや行政に発言しなければいけません。

2010年12月23日木曜日

Stent Fractureに関わる医師、学会、メーカー、厚生労働省やFDAの責任

  まず最初に私の薬剤溶出性ステントに対するスタンスを言っておきます。冠動脈に対するカテーテル治療のアキレス腱であった再狭窄を激減させた薬剤溶出性ステントが果たした役割を私は非常に評価しています。私自身が狭心症になればこの薬剤溶出性ステントを使って治療してほしいと思っています。こうした優れたデバイスが、その価値と比べれば小さなことでその存在を否定されないように、不十分な点を是正しより良い製品に進歩してほしいと願っています。薬剤溶出性ステントを肯定する立場であることを宣言して、その上で今、気になっている点を述べたいと思います。

   このブログで何回かstent fractureのことを書いてきました。bare metal stentでも発生すること10年と聞いていたのに非常に短い期間でも発生することfractureとおそらく関係して冠動脈閉塞も起き得ることなどです。64列MDCTの導入までこのstent fratureに関する関心を私は余り持っていませんでした。64列MDCT導入以前にはfractureの発生に気付いていなかったのです。ステント内再狭窄も冠動脈造影でfractureと気付かないままfractureとの関係を考えずに単純に再治療してきたわけです。しかし、64列MDCTで冠動脈造影よりもfractureがよく評価できるようになり、再狭窄や再閉塞との関連を考えるようになったのです。

  以前に厚生労働省も10年に相当する耐久性の試験として4億回の加速試験を承認申請の書類に添えるようにメーカーに求めていることを書きました。また、以前に確かFDAが10年間の耐久性を求めていると聞いたことがあると書きましたが、昨日、そのFDAが求めるGuidanceの書類を手に入れました。 " Guidance for industry and FDA staff. Non-Clinical Engineering Test and Recommended Labeling for Intravascular Stents and Associated Delivery Systems: April 18, 2010" という書類です。以前にもあったものの最新改訂版です。

  この中でFDAは10年間という期間はほとんどの方にとって十分に安全と言える期間であり10年間という期間が妥当であると信じると記載されています。私もこの10年という期間は妥当だと思いますし、10年という耐久性を知っていれば若い患者にはあまりステントを使用しない方が良いだろうとの判断も可能です。しかし、10年を経過せずにfractureは発生し、そうした例に関して多くのケースレポートが学会で発表され論文にもなっています。FDAがrecommendする耐久試験の結果は、10年間に相当する加速試験を実施し1%未満のfractureであることです。単純に計算すると年間の発生が0.1%未満ということになります。金属疲労は経年的に増加するはずですから植込み後1年でのfractureの発生率はこの0.1%をはるかに下回らねければならないはずです。しかし、現実の臨床の場でのfracture発生率はこの程度ではすみません。この頻度の差はin vivoとin vitroの違いだと納得して臨床の場では問題にするほどのことではないのでしょうか。

  メーカーが正しく検査してFDAや厚生労働省が正しく認可していると仮定すれば、in vitroの実験が臨床に則しておらず、試験方法に問題があると言えるのではないでしょうか。10年の間、振動を加える検査をすると10年間の開発期間が必要になるわけですから現実的ではありません。このために4億回の振動を短時間に加えるわけです。ちなみにstentの加速試験を実施するシステムはBOSEのマシンです。この装置で発生する周波数は60-120Hzです。毎秒60-120回の振動です。血管の拍動は毎分60-120回ですから60分の1の時短です。10年間かかる検査を60分の1の約2カ月で検査できる計算です。60分の1の時短は、逆にいえば60倍の周波数で検査することを意味します。構造を破壊するのは回数だけではありません。構造を破壊する固有の周波数が存在するはずです。構造の破壊検査をするのに周波数を無視した現状の加速試験には問題があるような気がしてなりません。メーカーやFDA、厚生労働省はFractureの発生頻度を踏まえて、試験方法を見直すべきであろうと思います。

  一方、現状の試験であってもその結果はFDAや厚生労働省に既に提出された公開されるべき資料ですから、体内に植え込まれる患者や、植込みを行う医師はその結果に容易にアクセスできなければなりません。FDAの最新版にはステントの各サイズで試験を実施し、どのサイズが最もfractureを起こしやすいのかという結果を示しなさい、stent のoverlapでfractureの頻度が変化するのか試験を行いなさい、bifurcationでのステント植込みでfractureの頻度が変化するのか調べなさい等と臨床で使用される状況に則した試験をrecommendしています。恥ずかしいことですがこのようなin vitroの試験結果があることさえ私は知りませんでした。それもそのはずです。どこかにこうした結果が公開されているのかもしれませんが、私は公開されているのかも公開されているのであればどこで公開されているのかも知らないのです。何mmのステントが最も弱いのか、overlapすることでfractureの頻度はin vitroでどう変化するのか、FDAに書類が提出されているのに、現場の医師には知らされていないのです。

  現在、当院で使用している薬剤溶出性ステントについて厚生労働省に提出した承認申請の書類の開示をメーカーに求めています。驚いたことにハートセンターに来ている担当者にも即答できる人がいませんでした。担当者が答えられないので私が来ましたという九州エリアの責任者という人もそのような資料の存在を知らないという始末で驚きました。植込まれる患者も植込みを行う医師も、現場に来るメーカーの担当者も、メーカーのエリア責任者も大事な試験結果を知らないのです。担当者だけが知らないのであればその担当者の能力が低いということですむかもしれませんがエリアの責任者まで知らないとなればそのメーカーの姿勢を疑わざるを得ません。

  患者さんに重大な結果をもたらすかもしれないstentを使用する医師は、その特性を知る義務を負っていると思います。そうした特性を知らずに使用してきたことで、「この重大な結果はお前の責任だ」と言われれば私は否定できません。また、多くのfractureの発生が学会で明らかにされているのにも拘らず、メーカーや行政にアラートを発しない学会にも責任はあると思います。この問題を解決するためにメーカーはどのような検査をし、どのような結果であったかを明らかにすべきです。FDAや厚生労働省に提出した承認申請書類を明らかにし、in vitroの結果と臨床の結果の乖離の原因を学会とメーカーで共同して明らかにし、正しい試験方法の開発や新しいステントの開発の方向性を見つけ出さなければならないと思います。厚生労働省が認可しながら、認可の基準である10年を大幅に下回る期間でfractureが発生していることを知りながら、メーカーに試験方法の是正を求めない行政にも責任があると思います。日本だけでも年間に10万人以上に植込まれている冠動脈ステントです。早急な対策が必要です。

  田舎の一インターベンション医の言うことですからきっと意味がないだろうと思いますが、一つの予言をします。このstent fractureの問題は近い将来、大きな社会問題としてクローズアップされ、メーカーが大きな打撃を受けるでしょう。現在、今回の私のブログようなfractureの問題の提起は一般的ではありませんが、私と同じことを考えている人はきっと私だけではないということがその予言の根拠の一つです。一つの考えが湧き出る時、世界中で同じ考えが同時に発生するものだからです。もう1つの根拠はbioabsorbable stentの出現です。新たに市場を席巻する製品が出るとき、古い製品が淘汰される過程で古い製品が学問的にも社会的にも徹底的に叩かれるということはよく起きる現象です。bioabsorbable stentが既に始まっている治験などを通じて社会や市場の認知を受け始めたらstent fractureの問題は大きくなるでしょう。

2010年12月14日火曜日

薬剤溶出性ステント植込み後1カ月で再狭窄をきたした透析患者の1例

Fig. 1 just after stenting on 8, Nov. 2010
患者は6年間、糖尿病由来の腎症で透析を受けておられます。2009年12月に右冠動脈入口部の狭窄のためTAXUS stent植込みを行いました。半年後の造影で再狭窄はなかったのですが2010年11月安静時の胸痛があり造影したところ同部は完全閉塞になっており再度PCIを行いEndeavor stentの植え込みを行いました(Fig. 1)
この2度目のステント植込み後1カ月も経過していないのに先週より透析中に胸痛を訴えるようになりました。回旋枝にも狭窄が残存しているためこちらが原因だろうと考え、本日造影を行いました。予想は裏切られ右冠動脈近位部ステント内の90%狭窄です(Fig. 2)。sub acute thrombosisやlate thrombosisで完全閉塞になる方はおられますが、このような狭窄となって1カ月後に再来される方は経験がありません。何が起きたのでしょうか?
Fig. 2 before PCI on 14, Dec. 2010
Fig. 1の矢印の部位は上に凸の屈曲でバルーンで拡張してもその屈曲は取れません。また、同部には高度の石灰化を初回PCI時から認めています。Fig 2の狭窄部はまさのその場所です。石灰化した屈曲が支点となってstent fractureを起こしたのでしょうか。stent fractureは以前にも書きましたが造影よりもCTでよく判明します。CTでfractureなのかどうかを見てみたいとも思いましたが、カテも入っているのにPCIもせずにCTという訳にもいきません。今度はPROMUS stentを植え込みました。
当院にPCIの研修に来ている鹿大のK先生の話では、鹿大でも植込んで間もないEndeavor stentのfractureがあったそうです。以前、ステントの耐久性は10年間分の振動に耐える振動試験を経てFDAで認可されると聞いたことがあると書きましたが、日本の厚生労働省も冠動脈ステントの承認申請にあたって10年分の振動に耐えるように4億回の加速試験を行った結果を添付するように求めていました。しかし、ステントの添付文書にはこの加速試験の結果は記載されていません。「ステントは一生大丈夫なものですか?」という質問は患者さんからよく聞かれます。少し調べればすぐに分かる形で厚生労働省やメーカーは10年間分の加速試験の結果を公表すべきだと思います。また、10年もたずにfractureが多発しているわけですから、試験方法が妥当であったか、認可に問題はなかったかを厚生労働省やFDAは検証する時期にきているような気がします。

2010年11月15日月曜日

Taxus stentのfractureが原因と考えられる冠動脈閉塞の64列MDCTによる評価

CAG on 03, Mar. 2008
  2008年3月に冠動脈3枝すべてに薬剤溶出性ステントを植込んだ方です。現在83歳です。上段の回旋枝、前下降枝ともにTaxus stentを植え込みました。回旋枝は起始部からステント植込みを行ったためにどうしてもoverlapが回避できず10mm程度の重なりがあります。その後、無症状で経過し6ヶ月後の造影で3枝とも再狭窄はありませんでした。
 6か月後の造影から2年以上が経過したためにCTで評価したものが最下段です。回旋枝はステントの半ばで完全閉塞しています。ちょうど、ステントが重なり合う手前の一重から二重に移行する部位で完全閉塞です。完全閉塞部位でステントの繋がりはなくやはりfractureの所見です。一重から二重に移行する部位ですから折れる荷重が集中したのでしょうか、あるいは外にある石灰化がステントが折れる支点になったのでしょうか、いずれにしてもstent fractureに伴う冠動脈の完全閉塞です。
 無症候性の完全閉塞で心筋梗塞を発症しなかったのは幸いでした。症状があればどんな困難な病変でも再開通を図るのですが、無症状であること、他の2枝には全く再狭窄がないことよりご家族と相談して、閉塞した回旋枝にはPCIをせずに経過を見ることにしました。
 CTで評価すると過去に考えていた以上に頻繁にstent fractureが見つかります。再狭窄を伴わないものからこの例のように閉塞するものまで様々です。過去に示したようにfractureはBare Metal Stent(BMS)でもCypher stentでもTaxus stentでも観察されます。Cypher stentが世に出たときのキャッチフレーズは、この初めてのPCIが最後のPCIになりますよというものでしたが、そうではありませんでした。ヒトの知恵で簡単に解決できるほど病気は単純ではないのです。冠動脈ステントに代表される冠動脈治療の恩恵を広く冠動脈疾患患者に知ってもらうとともに、治療後も油断せずに大切に患者さんを見てゆかなければいけません。
CAG on 11,  Nov. 2010

CT on 04, Nov. 2010

2010年10月31日日曜日

10年目の危機? bare metal stentもfractureに気をつけないといけません

Coronary CT on 4th, OCT. 2010
 月末、月初めはレセプトのために症状詳記を書かなければなりません。本日は日曜日ですが詳記を書いています。この方は2010年10月7日の当ブログ「嫁を褒める亭主、子供をけなす親」で載せたケースです。この方の症状詳記を書いていて、この方も古いbare metal stentの再狭窄だったと思いながらCTをもう一度見てみました。やはり10/28の当ブログ「64列MDCTでfractureが確認できたbare metal stent植込み後10年目の再狭窄のケース 」のケースと同じようにCTで見るとステントに段差が見えます。このようなstentの段差を見ても16列で検査していた頃は本当にfractureなのかmotion artifactなのか自信が持てませんでした。しかし64列になって自信を持ってfractureと判断できます。この方も2000年のbare metal stent植込みです。10年の耐久性で作られているステントのfractureによる再狭窄はことのほか多いのかもしれません。10年目の危機かもしれません。薬剤溶出性ステントのfractureやlate catch-upに気をつけるだけではなく古いbare metal stent植込み患者にも気をつけなくてはなりません。

2010年10月28日木曜日

64列MDCTでfractureが確認できたbare metal stent植込み後10年目の再狭窄のケース

06, OCT. 2006

28, OCT. 2010

14, OCT, 2010
  2006年10月2日よりオープンした鹿屋ハートセンターの3例目の冠動脈造影の方です。2001年に前の勤務先でbare metal stentの植込みを私がしました。灌流域の狭い小さな#4PDの狭窄ですから当初はPCIは不要ではないかと紹介医にお話していましたが、PCIもされる紹介医より症状がとれないので是非にと頼まれてPCIをした方です。以後、症状なく落ち着いていました。2006年10月6日の造影でも再狭窄を認めません。
 ところが今年10月に入ってニトログリセリンの舌下が有効な胸痛の再発です。最下段のCTで見てみると、ステントは中央で段差ができ、ステント内も再狭窄のようにlow densityです。植込み後5年の時点で再狭窄がなかったbare metal stentがfractureし植込み後9年で再狭窄です。
 やはり小さな血管ですから生命予後には影響しません。症状がコントロールできるのであればPCIはしない方が賢明と考え、CTで再狭窄の診断後も内服のみで見ていました。しかし、症状が取れないのです。そこで本日、PCIを行いました。造影ではstent fractureは読み取れません。PCI中はST上昇もあり胸痛も結構、強いものがありました。
 薬剤溶出性ステントのfractureやlate catch-upが問題になっていますがbare metal stentにも起こる問題です。たしか、ステントは10年間の振動でも金属疲労で折れないように耐久性試験をしてから認可されるのだとbare metal stentが出始めた頃に聞きました。1日10万回の鼓動 x 365日 x 10年の振動、3億6500万回の振動でも折れない耐久性を試験して認可を受けるのです。今回の方は、確かに植込み後ほぼ10年です。しかし、最近の薬剤溶出性ステントのfractureはもっと早い時期に発生しています。最近は振動を与えての金属疲労の耐久性試験はなされていないのでしょうか?