2010年11月10日水曜日

肥大型心筋症の心臓CTによる評価

 
拡張期

 本日も前回に続き、冠動脈以外の心臓CTの評価です。最大圧較差が57mmHgの大動脈弁下部狭窄のある肥大型心筋症の方です。心房細動もなく、シベンゾリン(シベノール)とカルベジロール(アーチスト)の内服で安定しています。鹿屋ハートセンターのオープン前に初めて診せていただいた方で、当時は前の病院を辞めていたので鹿屋医療センターで冠動脈造影をして頂いた方です。心電図上著明な高電位とストレイン、心エコー上の左室肥大から肥大型心筋症と診断してよいのですが、これだけでは冠動脈に問題ないことの証明にはなりません。ですから、肥大型心筋症と思っても冠動脈造影を実施してきたわけです。
 しかし、CTで冠動脈が評価できれば肥大型心筋症に冠動脈造影をする意味はなくなります。また、カテーテルで行う左室造影では左室内腔を見ることができますが、左室肥大と同時に評価はできません。CTによる左室の評価では左室内腔だけではなく左室壁との関係も一目瞭然です。また、左房の大きさや僧房弁の動きも同時に評価可能です。カテーテル検査よりも情報量は多いといえます。圧較差はエコーで評価し、形態はCTで評価するということで十分です。となれば、肥大型心筋症の方にも今後はカテーテル検査は不要ということになります。カテーテル検査は不要という方がどんどん増えてきます。
 最下段の動画は繰り返し再生できるとよくわかるのですが、ブログにアップして繰り返し再生にする方法が私にはよくわかりません。誰か教えてくれるとありがたいです。


収縮期



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