アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱に立ち向かっていたリベリア人医師アブラハム・ボーボー先生が期待された新薬であるZmappを投与されていたにもかかわらず亡くなられました。
こうした死亡率が高い感染症に立ち向かって亡くなる医療者は少なくありません。2003年には当時世界を震撼させたSARSに立ち向かったイタリア人医師カルロ・ウルバニ先生もそのSARSで亡くなられました。
私は、感染症を専門としているわけではないですが、その使命感から自らにふりかかるリスクをおして病気と向き合い、亡くなられた先生方の報道に接してなにか戦友を失ったような喪失感を感じます。
死亡率が高い感染症のみならず不眠不休で救急患者に向き合い若くて亡くなる先生もおられます。私が専門とするカテーテル治療の分野でも夜間の急患に対する対応だけではなく、放射線防護処置をしても完全には被爆から免れ得ない環境で、発癌リスクを恐れずに放射線を浴びながら患者さんに向き合う多くの循環器医がいます。
新型インフルエンザの流行時などにも真っ先に患者に向き合うのは医師です。そうした仕事であることを自覚して自ら選んだ道ですから賛辞や敬意は求めませんが、医師は不老不死ではありませんし、当然ながら家族もある生身の人間であることは知っていてほしいと思います。
会ったこともない先生ですが、仲間の死として最大の哀悼の意を捧げたいと思います。
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