2012年7月20日金曜日

日常の中の新たな発見 自然発生冠動脈スパスム下のFFR

Fig. 1 CAG after NTG administration
 冠動脈の評価をCTでするようになってからは、毎日、心カテがあるわけではありませんが、明けても暮れても外来とカテの日々です。自分でもよく飽きないものだと思います。

Fig. 1の方は慢性心房細動で通院中の方です。深夜と早朝にNTG舌下が有効な胸痛がありました。冠動脈CTではRCAに狭窄らしく見えるところがありましたが、RCAが鞭のようにしなる方では正確な評価が困難なことがあります。まして心房細動です。NTG有効な胸痛があったわけですからCAGとしました。#2に50%あるいは読む人によっては75%狭窄を認めます。

Fig. 2 Pressure wire in RCA
NTG有効な胸痛です。この位の軽い狭窄であれば、それ以上何も評価せずにPCIをしないのが常ですが、この程度の狭窄でもFFRが低下していることがあるとよく聞かされます。それでFFRを測定することにしました。入口部で較正をしてワイヤーを進めるとATPを投与したわけでもないのにFFRは0.34です。(ATP投与前の圧の低下もFFRと言うのか疑問ですが) 較正が狂ったかと引き抜くと1.0です。また進めると0.34です。この程度の狭窄でこんなことが起こるのかと造影したのがFig. 2です。狭窄部のスパスムです。再度ニトロを冠注するともちろんこの現象は消失し、ATP投与後のFFRは0.93です。もちろん、deferです。

こんなことはFFRを一生懸命にされている先生にとっては珍しくない現象かもしれませんが、こんなこともあるのだとよく勉強になりました。FFRの評価をするときにはスパスムの要素をしっかりと排除していないと過剰評価になりかねません。

症状からも冠攣縮性狭心症です。しっかりと治療方針を立てることができました。

毎日毎日、変わり映えもしない仕事をしていると思えば、新たな発見とは巡り会えません。常に個々の患者さんには相違があるのだという視点を持っていれば、表面的には変化のない日常であっても、たとえ小さくても新たな発見と出会えます。だから30年以上も続けられるのだと思いを新たにします。

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