2010年12月12日日曜日

鹿屋ハートセンターのテレビを地デジ化しました。 病院にあるカード視聴の仕組み

 本日はPCIの話でもCTの話でもありません。

 昨日、病室のテレビを地デジに更新しました。結構な出費になりましたが仕方ありません。きれいな画質になって患者さんが喜んでおられるので良しとしましょう。今日はNHKの「坂の上の雲」でもハイビジョンで見てくれることでしょう。
 4年前に鹿屋ハートセンターをオープンした時にテレビをどうするかを考えました。病院によくある購入したカードで視聴する形にするか、無料でテレビの視聴環境を提供するかです。この時、初めて知りましたが、多くの場合、カード購入式のものはそれを生業にしている業者さんから病室に貸してもらうのです。当院にもオファーがありました。施設側には1円の負担もありません。置いて頂けるのならすべてのベッドに床頭台をおまけに付けて無償で提供しますよというものでした。いくらかのキャッシュバックもありますよという提案つきです。床頭台はおよそ5万円、テレビは3万円ですから初期投資を抑えたい開設者にとってはおいしい提案です。一方、業者さんにとってはおよそ1日1000円が収入ですから8万円の投資で1年に最大で36万5千円の収入が見込めます。業者さんにとってもおいしい商売です。では win and winでよいビジネスモデルなのでしょうか。私はそう思いませんでした。3万円のテレビを見るために患者さんが最大36万5千円を負担する仕組みですから、私はとんでもないと考えたのです。win and winの関係はサービスを提供する側と受ける側の双方が利益を受ける関係であるべきで、サービスを提供する側の2者がサービスを受ける側の利益を共同して毀損することではないはずだからです。患者さんに法外な負担を強いるこの仕組みを採用しているのは民間病院だけではありません。公的病院にもこの仕組みでテレビを見せるところはたくさんあるのです。えげつない話です。
 負担は少なくありませんでしたが患者さんに余計な負担を強いるこの仕組みを私は断りました。鹿屋ハートセンターのテレビ視聴にカードはありません。無料です。ハートセンターで年を越すであろう患者さんにはハイビジョンの美しい画像で「紅白」を楽しんでもらいましょう。

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