Fig. 1 LCA evaluated by MDCT in Pt with chronic Af |
本日PCIになったこの方も慢性心房細動で、当院でワーファリン化をしていた方です。布団の上げ下ろしで4-5分の胸部症状があると初めて言われました。Optima CT660pro導入後にAf患者での評価が十分に可能と考えるようになっていましたので、この方もまずMDCTで評価しました。Fig. 1の左冠動脈像では前下行枝に石灰化を伴う高度狭窄を認めます。また、Fig. 2の右冠動脈では近位部に非常に高度な狭窄を認めます。外来でのCTの結果を見てすぐにプラビックス、バイアスピリンの2剤の抗血小板剤を追加しました。本日、CAGです。
Fig. 2 RCA evaluated by MDCT in Pt with chronic Af |
Fig. 3の左冠動脈、Fig. 4の右冠動脈もMDCTの評価通りの狭窄です。存在をほぼ確信して2剤の抗血小板剤の内服も開始していますから当然のようにAd hoc PCI です。しかし、Ad hocで2枝を同一日にする勇気がまだありません。本日はより狭窄の強いRCAにPCIを実施しました。 Terumo run through extra floppyでwire crossし、最近お気に入りの Boston NC Quantum Apexで前拡張、PROMUS を植え込んで終了です。LADは来週 実施予定としました。
慢性心房細動患者に合併する狭心症を正しく診断して見つけることは、簡単ではありません。この方は60歳代前半の女性で「狭心症らしさ」の少ない方です。MDCT なしで見逃さずに診療できていたかを考えると疑問です。
Fig. 2 LCA on 16, Feb. 2011 |
当院への64列MDCTの導入は相当に遅れました。16列で診療していた時代、64列を持っている施設をうらやましく思ったものです。その当時、今の私ほど64列でAf患者でも冠動脈はよく分かると言っていた施設をあまり知りません。64列MDCTを用いたAf患者の冠動脈の評価は GEのCTでのみ可能なのでしょうか。もちろんそんな筈はないと思っています。12/2/2010のブログで各メーカーのユーザーがそれぞれのレヴューを明らかにしましょうよと提案しました。各メーカーのユーザーが色々な形で評価を明らかにしてもらいたいと思っています。
Fig. 4 RCA before PCI on 16, Feb. 2011 |
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