2011年2月5日土曜日

慢性心房細動患者でも64列MDCTで冠動脈評価は可能です。


Fig. 1 LAD evaluated by MDCT in Pt with chronic Af
04, Feb. 2011
   月初めはレセプトの症状詳記書きでいつもうんざりですが必要なことです。頑張ってやりぬきましょう。でもすこし気晴らしにBLOGでも書くことにしました。

   Fig. 1は、昨日撮影した患者さんのLAD、Fig. 2は本日撮影した患者さんのLADです。共に慢性心房細動の方です。Fig. 2の方は除脈性のためにVVIが植え込まれており心拍はregularですが、Fig. 2の方はもちろんR-Rは絶対不整です。Fig. 1の方には3枝共に石灰化も狭窄も認めませんでした。また、Fig. 2の方には3枝とも石灰化と軽度から中等度の狭窄を認めましたが、PCIをするほどのことでもありません。カテをしなくて済みました。

 

Fig. 1 LAD evaluated by MDCT in Pt with chronic Af
05, Feb. 2011

  慢性心房細動の方を診ていると、よく労作性の呼吸苦を訴えられます。心房細動ゆえの心機能の低下によるものか、冠動脈疾患由来のものかの判断は決して簡単ではありません。高齢であるが故に運動負荷が困難であったり、既に安静時心電図からSTの変化があったりするためです。しかし、Fig. 3の方のように高度の冠動脈病変を持つ方も少なくありません。この方の症状も動悸だけで、典型的な狭心症の症状ではありませんでした。症状から見逃しなく冠動脈疾患を見つけようと思えば相当に広い範囲の方にCAGを受けてもらわなくてはなりませんでした。心臓CTで慢性心房細動のの方の冠動脈評価は困難だと思われていたからです。16列時代にはそれが故にまったく心房細動ではCTで冠動脈を評価しようとは思いませんでした。ところがです。64列MDCTである GE optima CT660pro導入後、全く失敗なしに心房細動の方でも冠動脈評価ができています。

 心房細動患者ではMDCTで冠動脈評価は難しいというのも過去の話になったように思えます。



  
Fig. 3 Left Coronary Artery in Pt with chronic Af
04. Feb. 2011

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