Fig. 1 LCA spider view on 6th, Jan. 2009 |
Fig. 2 LAC spider view on 15th Feb. 2011 |
息子や娘たちが都会で就職したために高齢者が孤立しているという率が最も高いのが鹿児島県であると聞いたことがあります。(何を何で割って率を出すのかは知りませんが…) このため、緊急時に同意をいただくご家族が見つからずに困るケースは頻繁に発生します。地方での救急医療の困難はこんなことでも発生するのです。
Fig. 3 After PROMUS stenting |
月曜になって、鹿屋市役所の職員にも協力していただき、電話ででも同意していただける方がいないかを探しましたが見つかりませんでした。
いつまでも猶予はありません。本日、ご本人の同意だけでCAGを実施しました。LAD take-offの進行だけであればと考えていましたが、最悪の状況です。LMTの分岐部の狭窄です(Fig. 2。) この結果を見た時に、最初に考えたのはCABGです。同意する家族がいない中で、CABGに回して心臓外科の先生に苦労をかけるのは目に見えています。また、同意していただく方を探している間に死に至る可能性もあります。いろいろ考えた末、瘦せろ痩せろと診察室で喧嘩しながらも3年間診てきた私が責めを負えばよいと考え、ご本人の同意だけでPCIを実施しました。
Fig. 4 IVUS image after PROMUS stenting |
孤立している高齢者が多い鹿児島県ですから、冗談で「鹿児島県は、日本で一番、親不孝な県だ」と時々言ってしまいます。しかし、本質は、若い人たちの雇用を支えられない地域の経済力が孤立した高齢者を生み出しているのだと思っています。その地域、その地域の医療は、そこで働く医師だけではどうしようもない問題を抱えています。鹿屋ハートセンターのささやかな経済効果だけではなく、この地域の住民としてこの地域の雇用や経済を考えなくてはなりません。
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