2012年12月14日金曜日

答が見つからなかった時にはなかなか出会えなかったのに、答が見つかった途端、繰り返し答がやってきます

Fig. 1 sinus arrest recorded with ILR
Fig. 2
80歳代半ばの方です。発作性心房細動で抗不整脈剤を内服して頂いています。 この方が、通所リハビリに行った際などに繰り返し失神発作を起こされます。元が発作性心房細動ですから洞調律に復帰する時などに洞停止を起こすのだろうと推測はしましたが、何度HOLTER心電図を撮っても、数日間の心電図モニターを見ても徐脈がつかまりません。もちろん根拠もなしにペースメーカー植込みをする訳にもいきません。

そこで植込み型ループ式心電計(Fig. 2)の植え込みを行いました。当院で初めてのケースです。Fig. 1に記録されたポーズを示しますが予想したように心房細動からの復帰時に7秒程度の洞停止を起こしていました。心房細動をコントロールすればこうした洞停止は起こさなくなるかもしれませんが80歳代の半ばです。Ablationも躊躇われます。内服でのコントロールを強化し、DDDペースメーカー植込みを選択しました。

Fig. 3 ECG monitor after the admission
入院後、あんなに答を探してモニター監視していた頃には出なかった洞停止が昨夜から繰り返し発生しています(Fig. 3)。当院の心電図モニターではアラームが鳴るような不整脈があった時にその心電図波形は自動でPDF fileに生成されサーバーに保管、電子カルテで閲覧可能になります。答が見つからなかった時にはなかなか出会えなかったのに、答が見つかった途端、繰り返し答がやってきます。


1 件のコメント:

  1. 日本メドトロニックの山内です。
    いつもブログを読んで、勉強させていただいてます。
    他の施設での話ですが、EPSで誘発が出来なかった患者様にも関わらず、植え込み翌日に心停止が記録されたケースを思い出しました。
    これもILRの不思議なのかと…。
    今後ともILRも、よろしくお願い致します。

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