6月15日から6月16日まで名古屋でCTO clubという冠動脈慢性完全閉塞にフォーカスした学会が開かれました。本日6月23日にはFacebook友達の進先生の病院で可児ライブが開催されました。多くの親しい先生が参加されています。行って、刺激を受けたかったと思います。
多くの症例数が望めないものの、確実に需要がある大隅半島にPCIを実施する施設がないことを知って、学会でのポジションよりも困っている土地、困っている人たちに貢献するのが医師の務めだと考え、縁のない鹿屋に来て12年です。多くの医師を抱えて仕事をするほどの症例数がないわけですから、少ない人数での運営です。交通の便も悪いこの土地での仕事を選択したのは私自身ですから、学会やライブに行けない不遇を嘆くのは筋違いです。
2004年、国内最大の病院グループの専務理事に任命されました。生え抜きではない私が任命されたのは異例です。しかし、任命後1年も経過しないうちに、「生意気だ」とか「組織の利益よりも新井個人のパフォーマンスを優先している」等と身に覚えのない批判を受けました。私には、元来、私の派閥を形成し、自分のポジションを確実にしようという発想がありませんから、この批判を受けた時に、退職を決意しました。退職の意思を伝えたところ、少なくない人からここは一度、頭を下げてポジションに留まってはどうかとお話を頂きました。願っても得られないポジションを捨てるのは勿体ないと言われたのです。しかし、私は、この忠告に従わずに退職し、現在の鹿屋ハートセンターを立ち上げました。少なくない融資を受けての51歳のスタートでしたから不安もありましたが、今となってはこの選択で良かったと思います。
組織に留まってその組織の論理に縛られて不遇を嘆くのも、独立した不自由さの不遇を嘆くのも全て、自分自身の選択です。かつて所属した病院の上司との折り合いが悪く不遇を嘆いたこともありましたが、今となってはそこに留まっていようと選択していた私自身の問題で上司の責任ではなかったと思えます。
鹿屋ハートセンターのような小さな組織でも、私に評価されないと言って嘆く職員がいるように思います。努力しているのに評価されないと嘆くよりも不遇は自分の選択の問題と認識していれば、自分自身で解決可能です。努力や進歩をを見せつけるのも自分自身でできることである筈です。
不遇も含めてすべての問題は私自身から起こっているという認識を持つことで、後悔は少なくなりますし、解決の答は自分で見つけることが可能だと思っています。こう考えれば、「全ての過去は正しかった」と常々 言っておられた、かつてのボスの気持ちも理解できます。
不遇を嘆くことよりも、自分の選択の問題と認識し、自分の選んだ道を楽しみましょう。
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