図 1 鹿屋ハートセンターの心房細動患者のCHADS2 |
乗り込んでゆくだろう
古い船を 今 動かせるのは
古い水夫じゃないだろう
なぜなら古い船も新しい船のように
新しい海に出る
古い水夫は知っているのさ
新しい海の怖さを
図2 eGFR別のPT-INR |
図1の鹿屋ハートセンターに通院されている患者のCHADS2分類では、CHADS2のスコアが上がるにつれて年齢は上昇し、eGFRは低下してゆきます。どのグループも平均のPT-INRは良好です。荒海でも凪いだ海でもINRは良好にコントロールされています。
図3 抗血小板剤内服患者のPT-INR |
図2は新規抗凝固薬の慎重投与が勧められるeGFRの低下例におけるワーファリンのコントロールです。ワーファリンを処方する時にいちいちeGFRはチェックしていませんが、eGFRが50以上の群では平均のPT-INRは1.97±0.42と良好なコントロールであったのに対して、eGFRが50未満の群ではPT-INRは1.75±0.54と控えめでした。
図3の抗血小板剤の内服の有無で見た当院の心房細動患者のPT-INRは、非内服患者でPT-INR: 1.96±0.44、内服患者でPT-INR: 1.82±0.51とやはり内服患者でINRのコントロールは控えめでした。図らずも出血のハイリスクの群のワーファリンコントロールは控えめだったのです。やはり荒れた海には古い水夫の経験によるコントロールが必要だと思っています。レディーメードでは厳しいのかと思っています。
一方、eGFRの低値群、抗血小板剤内服群の至適INR達成率は低いままです。CHADS2が高く、低eGFRで、抗血小板剤も内服しており、TTRも低値というグループが存在するようです。これらのグループの塞栓症を予防するためには、新規抗凝固薬の容量調節が必要ではないかと思っています。新しい船にも経験豊かな古い水夫が必要だと思います。
吉田拓郎が「イメージの詩」を書いたのは20歳代前半だそうです。この若さが古い船にも新しい水夫と言わしめたのでしょうか?
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